レトロゲームの特殊ドライバーサイズ一覧|任天堂機を中心に

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レトロゲーム本体やソフトを開けようとして、「ドライバーが入らない」「ねじの形が変」と気づく方もいます。スーファミ本体やソフト、N64、ゲームボーイなどは、家庭用の一般的なプラスドライバーでは開かないことがあります。専用形状のねじが使われているためです。

結論から書くと、レトロゲームを分解するなら、任天堂用の4.5mm/3.8mm、Y字などが入った1セットを買う方法があります。対応するハードは、セットの商品ページで確認してください。

メーカーの案内について

任天堂の米国向けの注意書きでは、NES・Super NES・NINTENDO64のカートリッジとNINTENDO64本体について、分解しないよう案内されています。ソニー・インタラクティブエンタテインメントの日本向け取扱説明書(PS one)には、製品本体を分解したり内部解析・改造などを行ったりすることを禁止する旨が書かれています。日本の任天堂は、ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームボーイなどの修理の受付を終了しており(任天堂サポート「修理の受付が終了した商品」)、セガが公式サイトで公開しているメガドライブ用カートリッジの当時の取扱説明書には、分解は絶対にしないよう書かれています(セガの本体の分解についての案内は今回確認できませんでした)。この記事で紹介する分解・部品交換の方法は、メーカーが案内している方法ではありません。試す場合はご自身の判断と責任でお願いします。

ハード別の必要ドライバー一覧

分解・修理情報サイトiFixit(二次資料)の分解記事・修理ガイドで確かめられた機種だけを、メーカー別に表にまとめました。出典の列のリンクが、その行の根拠です。iFixitは米国のサイトで、海外版の機種の記事も含みます。日本版と同じかは機種によるため、備考に書いたものは注意してください。ファミコンとメガドライブのソフト(カセット)は、iFixitの記事で確かめられなかったため表に入れていません。

任天堂

ハード/対象 必要なドライバー ねじの本数・備考 出典
ファミコン本体 プラスドライバー(Phillips) 底面のねじは6本。サイズはガイドにより #00 または #1 と書かれています iFixit「Famicom Teardown」、「Famicom Motherboard Replacement」
スーパーファミコン本体(SHVC-001) 4.5mm ゲームビット 背面(底面)のねじ6本。開けた後の内部は Phillips #1〜#2(ガイドにより異なる) iFixit「Super Famicom Teardown」、「SHVC-001 Cartridge Port Replacement」
スーファミのカセット 3.8mm ゲームビット 前面のセキュリティねじ2本。iFixitの記事は海外版(SNES)のカートリッジです iFixit「Super Nintendo Game Cartridge Battery Replacement」
スーファミのコントローラー プラスドライバー 背面のねじ5本。特殊なねじは使われていないと書かれています。iFixitの記事は海外版(SNES)のコントローラーです iFixit「Super Nintendo Entertainment System Controller Teardown」
N64本体 4.5mm ゲームビット+プラス(Phillips #2・#0) 最初に外す6本が4.5mm ゲームビット。内部は Phillips #2 が中心で、拡張スロットまわりの長いねじ2本は #0 iFixit「Nintendo 64 Teardown」
N64のカセット 3.8mm ゲームビット+プラス(Phillips #1) 外側のねじ2本が3.8mm。中のシールドは Phillips #1 のねじ2本 iFixit「Disassembling Nintendo 64 Cartridge」
N64のコントローラー プラス(Phillips #1・#0) 背面のねじ7本が #1。コントローラーパックの口やスティックまわりの小さいねじは #0 iFixit「Nintendo 64 Controller Teardown」
ゲームボーイ(初代)本体 Y字ドライバー(トライポイントY1) ケースのねじ6本。開けた後の内部は標準のプラスねじ iFixit「Nintendo Game Boy Teardown」
ゲームボーイのカセット 3.8mm ゲームビット カートリッジのねじ(電池交換のガイドで使われています) iFixit「Game Boy Cartridge Battery Replacement」
ゲームボーイポケット本体 Y00(背面)、JIS #000(カセット部)、JIS #00(基板) 背面6本がY00、カセットパネル4本がJIS #000、基板3本がJIS #00 iFixit「Game Boy Pocket Teardown」
ゲームボーイアドバンス本体 Y字ドライバー(Y0またはY1) 背面のねじ6本。記事のツール欄はY0、本文はY1と書かれていて揺れています。背面下の1本はPhillips #1 iFixit「Game Boy Advance Teardown」
ゲームボーイアドバンスのカセット トライポイントY0 背面のねじ1本。電池交換のガイドで使われています iFixit「Game Boy Advance Cartridge Battery Replacement」
ゲームボーイアドバンスSP JIS #00 電池カバーのねじ(外れない構造)。GBA SPはJISねじを使うと書かれています iFixit「Game Boy Advance SP Battery Replacement」
ゲームキューブ本体 4.5mm ゲームビット+プラス 底面の四隅の深い穴のねじ4本が4.5mm。それ以外は通常のプラスねじ iFixit「Nintendo GameCube Teardown」

セガ

ハード/対象 必要なドライバー ねじの本数・備考 出典
メガドライブ初代(海外名Genesis) プラス(Phillips #1) 底面のねじ6本。北米版Genesisのガイドです iFixit「Sega Genesis Motherboard Replacement」
セガサターン JIS #1 底面のねじ5本(1本はシールの下に隠れていることがあります) iFixit「Sega Saturn Case Replacement」
ドリームキャスト プラス(Phillips #2) 底面のねじ4本(拡張ベイを外すと4本目が見える) iFixit「Dreamcast CMOS Battery Replacement」
ゲームギア プラス(Phillips #1)+4.5mm ゲームビット プラスねじ6本のほかに、7本目が「セキュリティねじ」で4.5mm ゲームビットが必要 iFixit「Sega Game Gear Capacitor Replacement」

ソニー

ハード/対象 必要なドライバー ねじの本数・備考 出典
PS1本体 プラスドライバー ねじはプラスのみ。サイズはガイドにより #1 または #0 と書かれています iFixit「Sony PlayStation Teardown」、「(TC) PlayStation Teardown」
PS2本体(厚型) プラス(Phillips #0) ねじ保護カバーの下にねじ8本(SCPH-39001のガイド) iFixit「PlayStation 2 Teardown」
PS2本体(薄型) プラス(Phillips #1) 底面のカバーの下にねじ5本(1本は「Do Not Void」シールの下) iFixit「PlayStation 2 Slimline Teardown/Disassembly」

表を見て分かる通り、任天堂機では「3.8mmゲームビット」「4.5mmゲームビット」「Y字ドライバー」の3種類が、スーファミ・N64・ゲームボーイ系などの分解作業に使われます。ただしY字にはY1・Y0・Y00など複数のサイズが出てきます。ほかに、JISのプラスねじやサイズ違いのプラスドライバーも必要になります。

特殊ドライバーの種類と用途

3.8mm ゲームビット(カセット用)

iFixitの商品説明では、スーファミ(SNES)、N64、ゲームボーイのカートリッジを開けるドライバーとされています。表のとおり、スーファミ・N64・ゲームボーイのカセットでこのサイズが使われています。ゲームボーイアドバンスのカセットは、iFixitのガイドではY字(トライポイントY0)です。一般的なプラスやマイナスのドライバーでは回せないことがあります。

iFixitには、スーファミとゲームボーイのカートリッジの電池交換、N64カートリッジの分解のガイドがあります。

4.5mm ゲームビット(本体用)

iFixitの商品説明では、スーファミ(SNES)、N64、ゲームキューブの本体を開けるドライバーとされています。3.8mmとはサイズが違います。本体とソフトの両方を開けるなら、両方のサイズが必要になります。表のとおり、ゲームギアには4.5mm ゲームビットが必要な「セキュリティねじ」が1本あります。

Y字ドライバー(トライポイント)

3つの溝が放射状に伸びたねじ用で、iFixitでは「トライポイント(Y)」と呼ばれ、Phillips(プラス)に似ているが刃が3枚、と説明されています。一般的なドライバーセットには含まれないことがあります。

表のとおり、サイズは機種で違います。ゲームボーイ(初代)本体のねじはY1、ゲームボーイポケットの背面はY00、ゲームボーイアドバンスのカセットはY0です。ゲームボーイアドバンス本体は、iFixitの記事でY0とY1の表記が揺れています。単品で買う場合はAmazonで「Y字ドライバー Y1」を検索すると、製品が見つかります。対応機種とサイズは商品ページで確認してください。

JISのプラスドライバー

見た目はプラスねじですが、JIS規格のねじです。iFixitのゲームボーイアドバンスSPの電池交換ガイドには、SPはJISねじを使い、JIS対応でないプラスドライバーだとねじ山をつぶすおそれがあると書かれています。表では、ゲームボーイポケット(JIS #00・#000)とセガサターン(JIS #1)でもJISが使われています。

プラスドライバー(Phillips)のサイズ

表のとおり、同じ「プラス」でもサイズが機種ごとに違います。ファミコンは#00または#1、スーファミの内部は#1〜#2、N64は#2と#0と#1、ドリームキャストは#2、PS2は厚型が#0で薄型が#1です。サイズが合わないとねじ穴をつぶしやすいので、ドライバーセットを選ぶときは複数のサイズが入っているかを見てください。

レトロゲーム用ドライバーセットの選び方

個別に1本ずつ買うより、ドライバーセットを1つ買う方法もあります。レトロゲーム向けをうたう製品があり、Amazonで「レトロゲーム ドライバーセット」を検索すると、必要なビットがまとめて入った製品が見つかることがあります。

選ぶ基準

上の表から逆引きすると、触りたい機種ごとに必要なビットは次のとおりです。

ビット 表で使われている機種・対象
3.8mm ゲームビット スーファミ・N64・ゲームボーイのカセット
4.5mm ゲームビット スーファミ・N64・ゲームキューブ本体、ゲームギアのセキュリティねじ
Y字(Y1・Y0・Y00) ゲームボーイ(初代)・ポケット・アドバンス本体、ゲームボーイアドバンスのカセット
JIS #00・#000・#1 ゲームボーイアドバンスSP、ゲームボーイポケット、セガサターン
Phillips #00・#0・#1・#2 ファミコン、スーファミ・N64・ゲームキューブの内部、メガドライブ、ドリームキャスト、ゲームギア、PS1・PS2
  • 触りたい機種の行にあるビットが、すべて入っている
  • Y字は、必要なサイズ(Y1・Y0・Y00など)が入っている
  • 磁気付き(ねじを落としにくい)
  • ピンセット・スパッジャー(プラ製のへら)が付属

セットの中には電子工作向けの「精密ドライバーセット」もありますが、これらは家電修理用で、レトロゲームの特殊ねじには対応していないことがあります。商品説明に「ゲームビット」「3.8mm」「4.5mm」「Y字」などの記載があるかを確認してください。

趣味でレトロゲームの電池交換や端子清掃をするレベルなら、触りたい機種に必要なビットが入った入門向けのセットから始める方法があります。商品説明で対応するビットを確認してください。

ドライバーを使う前の注意点

1. ねじ穴を舐めないようにする

ドライバーのサイズが少しでも合っていないと、ねじ穴の溝が削れて「舐めた」状態になります。一度舐めるとドライバーが噛みにくくなり、最悪、ねじを破壊する作業(ドリル等)が必要になることもあります。合ったサイズを使う、そして真上から垂直に力をかけることが大事です。

2. 力をかけすぎない

古い本体はねじ穴の樹脂が劣化していて、強く回すと割れることがあります。少しずつ慎重に回し、固ければ無理せず一度抜いて再挿入してください。

3. ねじを紛失しないようにする

分解中のねじは、種類ごとに小皿やマグネットトレイに分けて置きます。組み立て時に「長さの違うねじを間違える」と、本体内部のパーツを貫通して壊すことがあります。

4. 静電気対策をする

分解の前に、本体の電源を切り、ACアダプターやケーブル、電池を外しておきます(iFixitのスーファミの分解記事では、コンデンサーに電気が残ることがあると注意しています)。基板に触れる作業では、事前に金属に触れて静電気を逃がします。可能なら静電気防止リストバンドを使うのが理想です。冬場の乾燥した室内では特に注意が必要です。

5. 分解は本体保証の喪失を意味する

すでに任天堂とソニー・インタラクティブエンタテインメントは、これらのレトロハードの修理の受付を終了していますが、分解した本体は中古売却時の査定が下がることがあります。「もう手放さない」覚悟ができてから分解してください。

分解で起こりやすいトラブル

1. フラットケーブルを切断する

本体内部の薄いフラットケーブルは、無理に引っ張ると破れることがあります。コネクタにロック機構があるものもあるので、ロックを外してから引き抜きます。破れたら修復は難しい場合があります。

2. ねじを締めすぎる

組立時にねじを締めすぎると、樹脂のねじ穴が割れることがあります。「軽く止まる程度」で止めるのが目安です。

3. 分解時の写真を撮らない

「組み立てれば分かるだろう」と思って分解すると、組立時にパーツの向きや配線の位置が分からなくなります。各工程でスマホで写真を撮ることを習慣にしてください。

自己責任の注意点

  • 分解は本体保証の喪失を意味する。中古売却時の査定低下にも影響
  • 静電気で基板が破損する可能性。作業前に金属に触れて静電気を逃がす
  • ねじを舐めると修復が難しくなる。合ったサイズを使う
  • フラットケーブルは破れたら修復が難しい。ロックを確認してから抜く
  • 古い本体はねじ穴の樹脂が脆い。力をかけすぎない
  • 分解中は写真を撮る習慣をつける。組立時の手がかりになる
  • 本記事は情報提供を目的としており、作業中の故障・破損・けがについて当方は一切の責任を負いません

まとめ|レトロゲーム用ドライバーは触る機種に合わせて揃える

  • レトロゲームには特殊ねじを使うハードがある。一般工具では開かないことがある
  • 任天堂系では3.8mm/4.5mm/Y字(Y1・Y0・Y00)が使われる。JISのプラスねじを使う機種もある
  • 表の各行にある出典(iFixit)で、触りたい機種のビットとサイズを確認する
  • セットで揃える方法もある。対応するビットは商品ページで確認する
  • ねじ穴を舐めないよう、合ったサイズで垂直に
  • 分解は本体保証の喪失を意味する。覚悟を持って

ドライバーは何度も使える道具です。レトロゲームと長く付き合っていくなら、触る機種のビットを先に揃えておくと、修理作業を進めやすくなります。

参照した資料

表の各行の出典(iFixit・二次資料)と、ビットの商品説明、メーカーの案内です。

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